*このエッセイは、ビッグウッド代表 大木 政春によるものです。
 「ビッグウッドのフードに対する想いやこだわり」をみなさんにお伝えできたら幸いです。




ドッグフード奮闘記
Vol.22 「恐縮と感動に涙がこぼれる」


今まで誰にも打ち明けたことのない膝の慢性病を、ハンナに何気に指摘されたことは驚きというか恐ろしささえ感じるほどでした。
故障や欠陥は、それなりにスポーツをしているとチームメートは皆、大なり小なり抱えており、スポーツ選手は故障や怪我は病気と捕えるよりも、欠陥や欠点と捕えがちで、そんな自分の欠陥は、なかなか打ち明けられるものではありませんでした。
そして痛みをこらえ、時には動けないくらいの時も自分なりに精一杯我慢し、欠陥が見つからないように周囲に気を配りながらトレーニングを続けていました。
それからまもなくしてからは、痛みをあまり感じなくなると同時に日を重ねるごとに膝に水がたまってしまうことが日常となってしまい、いわゆる急性の激痛から、痛みも麻痺していった慢性病に変わっていったのだと思います。
以前大学病院で検査した時は、成長期に激しいスポーツを重ねた結果、過度な運動により骨が変形している。その一部の飛び出た骨が、膝のお皿とすれあって炎症を起こすのだという診断をいただいており、骨を削る手術を行うべきだと言われておりました。
しかし、その手術は、細かい部分で膝のお皿の裏側を削らなければならないので相当困難だし、麻酔をしても失神を起こすぐらいの痛みが伴う場合も予想されるので相当の覚悟が必要だと、脅かされていたこともありなかなか手術には踏み切れずにいたのです。

それを、ハンナに「貴方の膝に細菌がいるから、目の前に出された数種類のハーブで取り除けば、すぐに解決する」と、あっさり言われても、とても信じられませんでした。
不思議というよりは、怪しいと思ったことが本音でした。
そしたら、ハンナがすかさず言いました。
「邪心を捨て、まあ、だまされたと思って1ヶ月飲んで見なさい!問題は簡単に片付くから・・・」
何だか、心の中まで見透かされていることに二重の驚きを感じた瞬間でした。

そして「今回は家族の写真などは持ってきたの?」と、ハンナに聞かれ、写真を差し出すと「この人はお母さん?潰瘍と高血圧ね・・・それからこの人は肺水腫の一歩手前直ぐに手当てしないと手遅れになるところに来ている・・・」などなどを、いとも簡単に数分で指摘され、またまた度肝を抜かれてしまいました。
それもそのはず母からは、いつも十二指腸潰瘍と胃潰瘍と高血圧で悩まされていることを知らされていたし、もう一人の写真の主は重度の喘息で毎日喉に水銀入りの劇薬スプレーを噴射しなければいけないことを私は知っていたからです。
そして、ハンナは続けます。
「お母さんには、このハーブとこのハーブを何で飲むのかをちゃんと認識して飲むように伝えなさい。
そしてこの人にはこのハーブとこのハーブネ…大変な状況になる前にわかることはとてもラッキーで、問題は直ぐに解決するから良かったわネ・・・」

私は、このような個人面談になるなどという予測をしていなかったせいか、驚きと感激で胸が詰まる思いでした。
そして、この偉大なるハンナに私ごときのために、犬のための自然食と健康療法食のレシピを一緒に考えてもらえることに、 恐縮かつ感激に涙がこぼれる思いでした。

Vol.23につづく)