*このエッセイは、ビッグウッド代表 大木 政春によるものです。
 「ビッグウッドのフードに対する想いやこだわり」をみなさんにお伝えできたら幸いです。




ドッグフード奮闘記
Vol.11 「アトムへの五目御飯」


 大木、もういいじゃないか・・・お前のしたことはアトムには通じる。十分やったよ・・・」

今でもこの友人の一言をはっきりと思い出します。
私が絶望感に苛まれているときに、温かくてやさしくて何よりも自分のことを理解してくれている友人の言葉でした。

「自分本位の独りよがり?・・・人からどう思われたってかまわないじゃないか!
それすらできない奴がいっぱいいる。
俺は、お前を立派な奴だと思うよ。友達として誇りに思う。
だからきっぱりあきらめて違う仕事を探そうよ!力になるから!」
しかし友人のその言葉が、さらに自分に火をつけることになりました。

・・・僕は、もう今はアトムへの想いだけじゃないんだ!

はじめは確かにアトムへの償いや自分自身への罪滅ぼしとして無我夢中で進んできました。
しかし、多くの方に助けられ励まされ多くのことを学ばせていただいたことで、今はアトムへの想いが『全ての愛犬を健康に長生きさせたい』、『悩める飼い主さんに自分と同じ過ちをしてほしくない』、そして『今までの道のりで得た素晴らしい感動や信頼を多くの人に伝えていきたい』という大きな使命感にふくらんでいました。
亡きアトムへの想いを通して多くの愛犬や飼い主さんを幸せにしたい!
アトムを通してこれまでに僕が感じた感動や信頼の輪を、それぞれの愛犬を通して皆で共感し合いたい。そして愛犬を通して皆で共感できる世の中を作っていきたい・・・。

だから、辞めるわけには行かない!

できるもの(おかずやスープ類やドライフード)から作ればいいじゃないかという助言もいただきました。
それは全て私のことを心から思ってくれる方々の温かいアドバイスでした。
しかし、私はアトムを想う気持ちからスタートして最初に出会った五目御飯(手づくり食事)をどんなことがあっても一番先に作り上げることにしか、生きがいを感じませんでした。

作る機械が存在しないのであれば、作ればいい! 何も難しいことはない。
『やると決めるか』『やめると決めるか』のふたつにひとつだ!
そして私は再度アトムに誓いました。

    必ず作ってやるから!お前への五目御飯。

これが出来なかったら何も作らない・・・。
そして機械作りへと着手していきました。

Vol.12につづく)