そんな時、ある雑誌で「自然派フード」として紹介されていたビッグウッドを知り、早速「華」を取り寄せてみたのです。嬉しいことに、銀次郎には、これがぴったり合っていたようで、すぐに切り替えることができました。そして100%「華」だけになって3日が経つうちに、驚いたことに、それまでずっと悩ませられていた軟便や嘔吐が、ほとんどみられなくなり、安定した良いウンチをしてくれるようになったのです。パサつきがちだった被毛も艶が出てきてぴかぴかと輝くようになりました。 その後、3頭のゴールデン・レトリバーと、コッカー・スパニエル、マルチーズの計5頭が、縁あって次々と私達の家族に加わり、結局銀次郎は一人っ子から5頭の犬たちのお兄さんになったのです。しかし、銀次郎は自分よりもずっと大きく育ったレトリバーに対しても全く臆することなく、いつも堂々たる姿で、5頭を上手にまとめていました。 高齢になっても、元気でカクシャクとしていられたのは、下の犬たちを率いなければという思いが、銀次郎の日々の生活に張りをもたらす力になっていたからかもしれません。 そして何よりも、食事の力、「華」との出会いが一番大きかったと、確信しています。
どんどん年を取っていくのに、元気、食欲は一向に衰えず、むしろ年々若返っているかのようでした。
それでも明らかな老化が見て取れるようになったのは、亡くなった年、つまり19歳を迎えた年の春頃からでした。 目の焦点が合わせられなくなり、平衡感覚が保てず、首が左に傾いて、まっすぐ歩くことが出来なくなったのです。お医者さんの話では、老化のために脳の中で細い血管が切れて、人間でいう脳梗塞のような状態になっているのだろう、ということでした。ごはんを食べようとしても、目を回して座り込んでしまうため、口元に運んであげなければなりませんでしたが、食欲は旺盛で、ソーセージのように切ってあげたスパミールを、嬉しそうに頬張っていました。消化力も変わらず安定して、軟便、下痢便になることもなく、長年の日課である夕方の散歩の時間になると、自分から外に出たがり、リードをつけると習慣のなせる業か、しっかりとした足どりでまっすぐ歩こうとしているのがわかりました。 そんな銀次郎の姿には、まだまだ「生きる」という活力がみなぎり、私のほうが励まされる思いでした。 19歳という年齢を考えると、そのまま弱っていっても不思議ではありませんでしたが、その年の7月には、再び自力で食事が出来るようになり、また、起き上がって歩き回れるほどに回復したのです! |