しかし、リョウタを迎えた当初から気になっていた皮膚の痒みだけは、なかなかすっきりしないまま残っていました。病院の診断でも、詳しいことはわからず、飼い主が代わり、環境が変わったことによるストレスではないかといわれるのみでした。痒みといっても、始終掻きむしるほどではなく、その原因もみえないため、安易に薬を使うことは憚られました。ただでさえ、強いフィラリアの薬を1年間続けていましたので、これ以上何らかの薬物を使うことは出来れば避けたい、という思いもあったのです。 痒みがさほどひどくないのなら、ある程度は体質と割り切って、あまり神経質にならないようにしよう・・・そう思い、こまめにブラッシングを行い、日頃の食事や健康管理に気を配りながら、様子を見ていました。 それから2年が経過した昨年の春先のことです。突然リョウタは、あごの下を激しくかきこわすようになりました。あっという間に、あごがただれ、血がにじみだしました。そして、それはあっという間に全身に広がっていったのです。病院の検査で、アカラスを発症していることがわかりました。 皮膚の下に巣食うアカラスというダニは、通常、どこにでも存在しているものの、体力や免疫力が低下するなどの様々な要因が重なることで、突然異常繁殖し、身体全体に広がるといわれています。 |