【ワンちゃんと飼い主さんの体験記】

はぐくみ通信に掲載した『ワンちゃんの飼い主さんたちの闘病の体験記』を随時ご紹介させていただきます。
ビッグウッドでは、今後皆様の体験談をご紹介させていただき、お客様の貴重な体験を次のお客様に伝え、
たくさんの愛犬の命が生き生きと輝く橋渡しをさせていただきたいと思っています。


『新潟中越地震を体験して』
新潟県 和田さん  メグちゃん(ゴールデン・レトリバー)・コウちゃん(猫)


メグちゃん

夕食の支度をしていました。煮物をしながら、まな板の上で野菜を切っていた時です。ゴゴゴゴゴゴ・・・・ズズズズズズ・・・・突然、聞いたことのないような地響きと揺れがきました。夫が「地震だ!」と叫び、メグとともにテーブルの下へ隠れました。私はただオロオロとあちこちに揺られ、冷蔵庫につかまっているのが精一杯でした。家ごと大きな力で揺すられて思わず悲鳴をあげていました。

すごく長い時間揺れていたと思いますが、少しおさまってきたのを待って外に出ようとしました。メグは普段首輪をしていません。以前皮膚炎があった時に首輪の周りが一番ひどかったので、それがすっかり良くなってからも散歩から戻って家では外す習慣になっていました。玄関で怯えているメグに首輪とリードをつけるのに一苦労でした。バタバタ動き回ってしまってなかなかつけられません。今回のような震災の場合には、首輪を普段からつけていればスムースに外に出られたんだろうなと実感しました。


やっとの思いで外に出て道路でしゃがんでいると、メグもガタガタと震えて体をくっつけてきました。明らかに後ろ足が動くのが見えるほどの震えでした。その後も大きな余震が続きました。立っているとメグを踏んでしまうぐらい大きな揺れでした。道路にうずくまり、くっついてくる犬をだきしめながら、主人としゃがみこんで揺れが落ち着くのを待ちました。辺りは停電して、真っ暗。ただ、近所の車のライトがあちこちで明るく光っています。

余震が怖いので、車で寝ようということになり、毛布やカイロ、水やお菓子、パンなど持ち込み、少し食べてから寝ることに。夜中も、何度も余震があり、車ごと揺れていました。夜が深まるにつれ、どんどん冷え込んできたため、家にセーターを取りに戻りたくさん重ね着しました。それでも、車の中は、夜中に何回か暖房をつけなければならない程の寒さでした。メグは後部座席で目を開けたまま横になっています。とりあえず震えてはいないようでした。家の中で地震に遭ったせいか、車の中のほうが、落ち着くようでした。

翌朝になって回りの様子をよく見ると道路に亀裂があったりへこんだりしています。メグには、いつものごはんをあげましたが、少ししか食べませんでした。猫のコウは家の2階の一番奥の部屋の押入れに閉じこもっていました。その後3日くらい怯えた状態でしたが少しずつ落ち着いていきました。

メグも少しずつ落ち着いていきました。メグはもともと怖がりのところがあり、普段から物がパシッと落ちた音などがすると怯えて固まってしまうところのある子だったため、小さな頃から雷や花火の音をテープで聞かせ、慣れさせるようにしていました。もし、以前にテープを聞かせたりするトレーニングをしていなかったら今回のような場合、もっと怖がり、きっとパニックを起こしていたのではないかと思います。

2日目の夜は服を着たままいつでも外に出られる格好で、1階のリビングで休みました。布団の真ん中にメグは入ってきて夫の寝場所をとってしまったりしていましたが、メグがいてくれたおかげで癒されました。緊張した状況の中ではありましたが、ちょっとしたしぐさで私達を和ませてくれました。あらためて、私たちにとって欠かせない家族の一員であることを実感しました。



お父さんから離れない
メグちゃん
深夜のニュースを見ていたら、支援活動で小千谷にいらしている大木さんが映りました。とても驚きましたが、そのニュースはすぐ終わってしまい、その後もそのことに関するニュースは、全く目にすることができませんでした。

地震がおきてから一週間、余震のたびに、くっついてブルブル震えていたメグも、大分落ち着いてきました。「今日は日曜日。夫は家にいる。私が家を空けられるのは、今日しかない。夫がいれば、余震があっても、犬や猫の心配はしないで済む。」・・・そう思い、夫に留守を頼み、小千谷へ向かいました。「ボランティアに?大木さんに会いに?」なぜ小千谷に向かおうと思ったのか、実は自分でもよくわかりませんでした。

途中の道路は、マンホールが10〜20cmほど持ち上がり、車がバウンドします。小さな街を通り、もうそろそろ小千谷かと思ったころ、急に道路の半分が砂利道になりました。亀裂を補修した途中のようです。目の前の光景に、はっとしました。長く続く道の両脇に、むこうまで、ずっと並んで見える電信柱・・・その全てが、風にそよいだススキのように、左へ傾いています。左わきに、倒壊した家が見ました。

小千谷の体育館に着きニュースで見た緑色のテントに行くと、大木さんにお会いする事ができました。地震のあと、ビッグウッドの方から、「皆さん無事ですか?ワンちゃんは大丈夫ですか?」と安否を気遣うお電話をいただいていたのでそのお礼を言いました。大木さんは、私に今の状況を丁寧に説明して下さり、地震のあと、早くに来て下さったこと、9時間もかかったこと、ここで犬連れで避難している70人くらいから話を聞いたことなど、いろいろ話してくださいました。

私にも何かできることがないか伺ったところ、午後から獣医さんがみえるので、その手伝いをすることになりました。獣医さんから「診察前に、簡単にイヌの様子を聞いてもらえるとありがたい。」と言われ、簡単なカルテを作りました。飼い主さんの名前、避難場所、犬の名前、体調などを書き込みます。また他にも、犬に目薬をさすための補助など、簡単なお手伝いをさせていただきました。

大木さんはその間も携帯電話で連絡をとったり、テントなどの手配をしたりと、かなりお忙しそうでした。おそらく相当お疲れだったのではないかと思います。なにしろ行政もこんなことは初めてでバタバタしている様子。問い合わせたり報告したりしてもなかなか話が進まないようでした。そんな中でも大木さんは、焦る様子もなく淡々と仕事をこなし、いろいろな人の話を聞き、おそらくいつもそうなのでしょうが、気持がとぎれることなく静かにいろいろ進めていらっしゃるようでした。

私は、といえば、知らない人の中で、少し緊張してはいるものの、なぜか安心しておりました。家では、いつもまわりの動物嫌いな人達に迷惑をかけないように気をつけています。でも、ここには犬嫌いな人はいません。 

大木さんはじめ、スタッフの方達、獣医さんも、動物を好きな人ばかりです。そんな人達の中で、なんだか、ほっとしている自分がいました。みんな、あたりまえに、犬や猫が好き。そんな空気に包まれて、ふと、安らぎを覚えている自分に気付きました。まわりを見れば、被災して大変な人達ばかりで、そんなことを考えている場合ではないのですが・・・。

運転が不安だったので、暗くなる前に小千谷総合体育館を出ました。ほんの半日ばかりの時間でしたが、大木さんのお顔を見て安心し、スタッフの方達に会えて、こういう人達がビッグウッドにいらっしゃるんだな・・・と思い、獣医さんの仕事ぶりや、いろんな方々がここまでいらしてくださったことに胸が熱くなりました。なにか、テレビの画面では感じることのなかったたくさんの感情が押し寄せてきました。小千谷に、遠くから、犬のために来てくれた人達がいて、小千谷の飼い主さんたちの力になってくれている・・・うれしいなあ。ありがたいなあ。そう感じた1日でした。

今回の新潟中越地震を体験して一番心配だったことは、"ペットが迷子になった時にはどうするか"ということでした。幸いにも、我が家のメグとコウはいなくなってしまうような事はありませんでしたが、もし仮に迷子になっていたら・・・と思うとゾッとします。


今回の新潟中越地震を体験して一番心配だったことは、"ペットが迷子になった時にはどうするか"ということでした。幸いにも、我が家のメグとコウはいなくなってしまうような事はありませんでしたが、もし仮に迷子になっていたら・・・と思うとゾッとします。

迷い犬や迷い猫を保護した際に飼い主探しの助けになればと思い、以前、町内会へペットに関するデータの把握について提案した事がありましたが、残念ながらうやむやになっていました。この体験をもとに、個人だけでなく社会としてもお互いに助け合い、支えあえる仕組みづくりの必要性というものを再度痛感いたしました。

大木さん、みなさん、本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。



倒れた家具と猫のコウちゃん



ビッグウッドでは、「アレルギー、アトピー、眼病、皮膚疾患、関節炎、内臓疾患など、病気の原因は『食』にある」と伝えつづけてきました。
愛犬の食事による闘病体験や、食事を切替えた改善の体験を募集させていただき、直接お客様に取材させていただいております。
取材させていただいた皆さんともに「同じような病気に苦しむワンちゃんの飼い主さんのお力になれるなら・・・」と力強くおっしゃってくださいました。
どんな改善の体験でも結構です。まずはご連絡ください。基本的には、お電話でのインタビューとなります。後日、その内容を当方にて文章化させていただきます。
★体験記の募集については⇒相談室 佐山へ。