*このエッセイは、ビッグウッド代表 大木 政春によるものです。
 「ビッグウッドのフードに対する想いやこだわり」をみなさんにお伝えできたら幸いです。




ドッグフード奮闘記 Vol.6 「旅の始まり」


 いよいよ『愛犬への償いと自分自身の存在を見つけ出す為の理想のフード作り』という長い旅が始まりました。

 1年目は志だけで高い理想をかかげ、それを追い求めるだけで過ぎていきました。
そして、2年、3年、5年・・・想いのまま無我夢中で年月とお金だけが失われていきました。

 今、冷静に振り返ってみると、恐ろしいことにこの間、僕はなんと無収入でした。
そして恥ずかしながら一番犠牲にしてしまったものは、家族でした・・・。
だいたい、この手の『男のこだわり』とか、『使命感みたいな単純な想い』は、
往々にして家族にしわ寄せ(不幸)がいくようになっているのかもしれません。
5年間に及ぶ時間とエネルギー、全財産も投じて、一番大切にしなければならない家族や親に多大な迷惑と心配をかける結果となりました。

 家族を失い、親もあきらめ、世間からは冷たい視線を浴びせられているように感じました。
志の重みに押しつぶされそうになり、フード作りの旅は実現どころか奈落の底に落ちていくようにさえ感じました。
そんな時に支えになったのが、子供のころのアトムとの豊かな生活の思い出と、現在も私を支えてくださっている生産者の方々や恩師の先生方でした。

 彼らの背中は私をはげまし、こう教えてくれました。
「正直者は馬鹿を見ない!」
「正しいことは必ずわかってもらえる!」
「逆境の次には必ず喜びがある!」
「自分が変わらなければ世の中も変わらない!」
「人は世の中のためになるように親から命を受け継いだもの!」
「何より大事なことは正しい信念を貫き続けること!」

 そして『感謝の心』という、更に大きくて暖かいものまでいただきました。
いま、みなさんに、心から『ありがとう』といいたい。


Vol.7につづく)