*このエッセイは、ビッグウッド代表 大木 政春によるものです。
 「ビッグウッドのフードに対する想いやこだわり」をみなさんにお伝えできたら幸いです。




ドッグフード奮闘記 Vol.4   「アトムへの感謝」


 私の愛犬「アトム」は、私に多くのものを無条件に与えてくれました。

言葉が話せるわけでもなく、こうしてほしい!ああしてほしい!と要求するわけでもなく、一緒に散歩に出かけ、遊びながらのコミニケーションを唯一の楽しみにしていたアトム・・・。
野球漬けになって毎日苦しい練習を続け、精神的、体力的にぼろぼろになっていた私にとって、彼の存在は大きな支えと励みでした。
私を信じ、私が与える食べ物に何の疑いも持たず、おいしそうに食べてくれるその姿は、いまでも昨日のことのように思い出されます。

 ・・・そんなアトムに、私は取り返しのつかない、ひどいことをしていた。
自分の無知さといえば聞こえがよく、何事もなく通りすぎてしまうことかもしれませんが、ショッキングなこの現実を目の当たりにすると、私はこの現実に蓋をする気になれませんでした。
『現実への腹ただしさと憤り』は、次第に『こんな現実を目の前にして何もできないでいる自分への腹ただしさと憤り』に変わっていきました。

 「嘆いている場合ではない!自分が動き出さなければ何も始まらないのだ!」
自分への憤りとアトムへの償いは、自分自身で解決するしかないと思いました。
この気持ちを収めるにはそれ以外の道はない・・・。

 そして、いま、私はつくづく思っています。
私をドッグフード研究開発の道に踏み入れさせ、多くの大切な仲間(私に共鳴してくれる多くの飼い主さんや熱心な研究者の方々、食材の重要さを教えてくれた生産者の方々)にひき会わせてくれたのは、「アトム」だったのだな・・・と。

Vol.5につづく)