今月のエッセイ&イラスト
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Vol.31「ダンシングの夜」 |
友人に誘われて、ラテンパーティーに初めて参加した。まるで倉庫みたいなプールバーを貸しきって、パーティは始まった。 エルサルバドルから来たという留学生に誘われて、私と友人は、おそるおそるダンスの輪の中に加わった。私たちの両手を取って、くるくるとチョウチョのようにまわしてくれる彼の身軽さに助けられながら、はじめてのダンスもなんだか楽しく思えてくる。 次第に固かった私たちの表情も笑顔に変わり、英語で話しながら、時間のたつのも忘れた。 私たちはアゲインと手を振って、しばらくの休憩をとった。喉をうるおしながら見て いると、青年はすぐにまた若い女性と踊り出した。女性は、もちろんラテン系の美人。 二人のダンスは、ため息のでるほど明るくて情熱的で官能的だ。私たちは思わず拍手 をした。 その日、朝帰りをした私を、ライオンはしらっと横目でにらんだ。 |