今月のエッセイ&イラスト
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Vol.28「アフガンの赤い布を抱きしめて」 |
NGOぺシャワール会の蓮岡修さんと話をする機会があった。 その蓮岡さんから、私はおみやげをもらった。アフガニスタンの女性たちが頭に被っ
ている美しい布である。 私はそれを軽くミニスカートの上から巻きつけたあと、横で、大きくリボンのように して結んだ。「あっ、似合いますね」と蓮岡さんが笑った。「やっぱり、赤がいちば ん、堀さんには、似合う」「ほんとに?」私もなんだかうれしくなって、笑った。 そのとき思ったのだ。堂々とゆるぎなく大勢の人々を目の前にして講演する蓮岡さん とは、別の、少年のようなやさしい目を持った蓮岡さんが、ここにいることを。 日に焼けたたくましい蓮岡さんが笑うと、あどけない子どもにかえってしまうのが、 とても不思議だ。 「こんどは、夏に帰国します」二日間の楽しい長崎での時間を過ごしたあと、蓮岡さ
んは私にそういった。
私は「はい」とうなずくと、「お仕事、がんばってください!」手をふった。 |