今月のエッセイ&イラスト
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Vol.24「私にできること」 |
長崎にはじめてNGOができ、その呼びかけ人となってから、一週間がたった。 そして、福岡を拠点とするNGOペシャワール会を指事し、「アフガン命の募金」を全国へ呼び掛けることだ。 ペシャワール会は、荒廃したアフガンの大地で、井戸を掘り続けている。 そう5万円もあれば、ひとつの井戸が作れるのだ。そのための募金活動なら、ということで、私もさっそく参加させてもらった。11月の晴れた日曜日、長崎でいちばんのにぎやかなアーケードに、募金箱を胸に抱えながら。 夕暮れのアーケードを行き過ぎる、なん百なん十という人々にむかって、私は、募金お願いの主旨を説明し、「お気持ちだけで、いいのですよ」と募金箱を差し出した。 すこし照れながら、ふうんとうなずきながら、お金をいれてくれるのは、高校生や、中学生。地べたにすわりこんだままの、茶髪にピアスの若者たちも、けっこう募金をしてくれる。 反対に、中年の女性や男性、お年寄りたちは、無関心のまま私の前を通り過ぎるのだ。迷惑そうな顔をして。 ときどき、私は、どうしてだろうと考える。 彼らの気持ちは、私の胸で、募金箱にぽとりぽとりとたまっていく。 「ありがとう」と私は、なんべんもくりかえしながら、募金箱の重さに、感動している。 このお金で、きっといい井戸が、掘れるだろう。 私は、私のできることから始めようと、この日あらためて思いながら。 |