今月のエッセイ&イラスト

Vol.8 「NO ANIMAL TESTING!」
文・堀 直子(児童文学作家)/写真・藤城 薫

 


- 干拓直後の諌早湾 -

同じ九州に住む女流作家が、ある新聞に書いていた。
化粧品を作るのに、残酷な動物実験が存在することを。

女性の美を追及する行為の裏で、どれだけのうさぎたちが 実験の犠牲になったのだろうかと考えると、なんともいえない気持ちになる。
ヨーロ ッパでは、2000年の6月1日から、動物実験をした化粧品の販売を中止するという。さすが、ヨーロッパの先進国は違う。
日本の厚生省には、爪の垢でも煎じて飲ませたい。
私はそのことを、大阪にあるプレマ動物治療院の羽尾先生から聞いた。羽尾先生は 私の犬、ライオンの主治医である。ライオンと生活するようになって、私は、いろい ろな人々と知り合い、いろいろな世界を知った。
犬の話をしているつもりが、いつの まにか、人間の話になったり、哲学や、環境問題になったり、私は、私の足もとで遊ぶ、この小さな愛らしいライオンから、世界を知ることができるのだ。
犬と生きるこ とは、私の生き方を問直すことにほかならないのだ。

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